近隣の部屋から聞こえる耳障りな音。
よくあるのが足音ですが、それ以外にも、ドアや窓の開閉音、話し声、テレビ、楽器の演奏音、
大音量の音楽、DIYの音、家電の動作音、ペットの鳴き声、何だか分からない引きずるような音、、、。
集合住宅で生活していると、周りからさまざまな音が聞こえてきます。
「ある程度はしかたない」とはいえ、その音が自分の心身に悪影響をおよぼしているなら、対策が必要です。
賃貸だと壁や床を加工するような大がかりな対策はとれませんが、それでも賃貸の部屋でできることはあります!
適切に対処し改善につなげていきましょう。
私のことを少しお伝えしますと・・・
私はマンション管理会社のコールセンターに勤務しており、今年で22年目です。
居住者の方からいただくご連絡は、おもに手続き関係、設備の不具合、漏水トラブルなどですが、そのつぎに多いのが【騒音トラブル】です。
2日に1度は騒音についてのご相談を頂くので、悩んでる人は多いと感じています。
この記事では、近隣からの音に悩まされている賃貸入居中の方に向けて、管理会社の【騒音トラブル】対応や、賃貸でもできる対処法、また私自身がためして効果があった対策について解説します。
この記事を読むことで「具体的にどう行動したらよいのか」が見えてくるはずです。
騒音トラブル解消にむけて、ぜひ最後までお読みください。

分譲住宅にお住いの方にも参考になりますよ!
【私も騒音に悩んだことがあります】
私自身も集合住宅に賃貸入居中です。
今まで9回引っ越しをしました。
そのうちの4回、上や下、隣の部屋から聞こえる音で悩んだ経験があります。
実は今住んでいる賃貸物件も防音性能が低く(鉄骨造)、下階の音(歌声、話し声、集団での
宴会)で夜眠れなくなり、ノイローゼ気味に・・・。
「もう限界!」
引っ越し先を決めて新居の契約寸前までいきました。
すると同じタイミングで、現住居で並行しておこなっていた音対策によって音の悩みが緩和され
てきたのです。
新居契約日までの数日間迷いましたが、結局、引っ越しせずに今の部屋に住み続けることに。
現在も下には同じ人が住んでいますが、今では音で悩むことはほぼありません。
夜も眠れるようになり、今も同じ部屋で快適に暮らしています。
どこまで我慢すべき?
音の感じ方は人それぞれです。
許容すべき範囲の基準はありません。
集合住宅であれば「ある程度の生活音はおたがいさま」が前提ですが、睡眠が妨害されるなど健全な生活に支障が出ているのであれば、我慢が正解とはいえません。
ご自身の許容範囲をこえているなら、心身の健康をまもるためにも対策をしましょう。
対処法と自分でできる工夫
優先順位が高い順です。
- 管理会社に言う
- 家具の配置がえ
- 騒音緩和グッズ
- 直接言いに行く
- 警察に通報する
それぞれについてご説明します。
管理会社に言う
まずは管理会社に相談することをおすすめします。
大家さんから管理を委託されている管理会社は、入居者が良好な生活環境を維持できるよう努める責任があります。
そのため入居者から騒音の苦情が入った場合に注意喚起をするのは、管理の範囲内といえます。
入居者からの苦情に対して管理会社が対応をおこたると、入居者が退去してしまう恐れがあり、大家さんから管理委託契約を打ち切られる可能性もあります。
大家さんから管理委託を継続してもらうためにも、管理会社は解決に向けて動くのです。
近隣住戸からの音で悩んでいるなら、まよわず管理会社に相談してみましょう。
管理会社に連絡するときのポイントについては、別記事「管理会社への効果的な伝え方」をぜひご覧ください。
家具の配置がえ
隣の部屋からの音が気になる場合に有効な対策です。
なるべく背の高い、重量のある家具を隣との壁際に配置しましょう。
- 本棚
- 収納棚
- タンス など

本や物をおいて重量をもたせることで、より防音効果を高まります!
【ポイント】
音が家具を通して伝わらないように、家具を壁にピッタリくっつけるのではなく、2~3cm空間をあけて配置するようにしましょう。
騒音緩和グッズ
騒音の侵入を防ぐのではなく、騒音を気にならなくさせてくれるおすすめのグッズ2点です。
どちらも数千円で買えるので、試してみることをおすすめします。
- ホワイトノイズマシン・・・騒音のマスキング音(=ホワイトノイズ)発生器。
(2,000円ほど) - Loop Quiet(耳栓)・・・耳に入ってくる騒音を軽減してくれる耳栓。
(3,000円ほど)

あらゆる周波数成分を均一に含んでいるホワイトノイズには、騒音と感じる周波数の音も含まれているので、騒音を打ち消す効果があります。
両方とも衝動買いしたものですが、私には効果大でした。
当時下から音が聞こえてきたら、すかさずホワイトノイズマシンをONにし騒音のマスキングに
つとめていました。
そうすると、神経にさわる騒音がホワイトノイズにまぎれてかき消され、騒音はいつも通り響い
ているはずなのに、気にならなくなりました。
神経がすり減るような閉塞感がやわらぎ、追い詰められた心が緩んでいったのです。
音が響いてきても、このホワイトノイズマシンがあれば乗り切れる!
気持ちが明るくなったことを覚えています。
また、そのころ音で神経過敏になり朝方まで眠れない日々が続いていましたが、夜寝るときに
ホワイトノイズマシンにプラスして、LoopQuietの耳栓をすることで朝まで熟睡できるようになり
ました(寝られるようになるまで数週間はかかったと思います)。
今ではこのアイテム2点の使用頻度は減りましたが、安眠のお守りとして寝るときに時々使って
います。
直接言いに行く
管理会社によっては騒音トラブルに対しては注意文までにとどめて、それ以上は介入しないという姿勢をとっているところもあります。
そのような管理会社だと、注意文で改善がみられない場合「あとは当事者同士で解決するように」「直接言いに行ってください」と、居住者側で動くよう促されます。
とはいっても、このご時世に直接言いに行くのは恐いすよね・・・
なので、無理に言いに行く必要はありません。やらなくていいです。
※この項は読み飛ばしてください。
<もし直接言いに行けるなら>
音が響いていることを相手に気づいてもらうためにお知らせする、という姿勢で言いに行くことをおすすめします。
相手と面識がない場合や、どのように伝えてよいか分からない場合は「音が響いてきましたが、大丈夫ですか」「びっくりして目が覚めました」などと言うとよいでしょう。
【ポイント】
・音が響いてきた時に現行犯で言いに行く
・冷静に話す
・けんか腰はNG
・いつどんな音がしたかを伝える
・自分の部屋に響くことを伝える
警察に通報する
足音のような生活音では難しいですが、度を越している騒音なら【最終手段】として警察への通報もひとつの手です。
◆度を越している騒音:建物の外にも聞こえるほどの大騒音
まず警察に通報すると、騒音源の部屋を訪問し「近隣から騒音の苦情が入っていますが大丈夫ですか」という感じで、音の主に直接状況確認をしてくれます。
騒音主はシラを切るかもしれませんが、そうだとしても、警察に来られて嬉しい人はいませんのでトーンダウンする場合が多いようです。
ただし、警察でできることは状況確認や注意のみで、音を止める強制力はありません。
また、状況などから誰が警察に通報したのかを相手に推測される可能性がありますので、警察への通報は慎重に判断しましょう。
それでもダメなら引っ越す
あらゆる対策をしても音の悩みが解消しないなら、残念ですが【引っ越し】するしかありません。
たしかに引っ越しはお金もエネルギーも時間もかかります。
すでに騒音で心身ともに弱っている状態では、物件探しすらひと苦労でしょう。
それでも、静かな部屋に引っ越しできれば、騒音の悩みから解放されます。幸せです。
心身の健康をまもるためにも、引っ越しの検討を強くおすすめします。
引っ越し資金がないなら、頑張ってお金を稼いでください。
静かな生活を手に入れることを目標に乗り切りましょう。
物件選びについては、別記事「他の部屋からの音に悩まされない部屋選びのポイント」をご覧ください。
まとめ
- まずは管理会社に連絡する
- 部屋内での対策やグッズをためしてみる
- 段階をふんで直接注意や警察への通報を検討する
- 引っ越しも視野に入れる