上からの足音、下からの騒ぎ声、隣からの楽器演奏。
住み始めてわかった、近隣からの騒音・・・。
「こんなはずではなかった」と後悔しないように、防音性の高い部屋をえらぶことが重要です。
この記事では防音性の高い賃貸物件を見分けられるよう、部屋の探し方や確認するべきポイントについて解説します。
これから部屋を探すかたは、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
部屋探しの流れ
部屋を探す時はつぎのような手順をふむことが多いと思います。
1.インターネット検索で候補をだす
2.実際に部屋を見にいく(内見)
3.気になるところがあれば不動産屋に確認
⇩
部屋を決める
1~3について、それぞれご説明します。
インターネット検索で騒音リスクがある部屋をさける
最初のインターネット検索の段階で、騒音リスクの高い物件を除外します。
チェックすべきポイントは4点です。
- 構造
- 立地
- 間取り
- 部屋の位置
構造
構造は防音性を左右する大きな要素です。
<おすすめ>防音性が高い
◎ 鉄筋コンクリート造(RC)
◎ 鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)
<さけたほうがいい>防音性が低い
× 鉄骨造(S造)
・重量鉄骨・軽量鉄骨ともに防音性は低い
・ALC造も軽量鉄骨なので×
×× 木造
つつ抜けの可能性あり
立地
騒がしい立地にある部屋はさけましょう。
× 交通量の多い道路沿い
× 線路沿い
× 幼稚園や学校の近く
× 前が通学路
× 繁華街の中にある
その他、競馬場、競輪場、野球場など騒がしい場所に近い物件はさけたほうが無難です。
間取り
◎ 隣の部屋とクローゼットが向かい合う間取りはおすすめ。
クローゼットが遮音壁の役割をしてくれ、防音性が高まります。
押し入れや浴室などの水回りが向かい合った間取りでも同じ効果が期待できます。
もし隣の間取りが分からなければ、不動産屋に聞いてみましょう。
「騒音のひどい物件に住んだことがあるので聞いておきたい」
「なるべく生活音が聞こえにくいほうがいいから聞きたい」
部屋の位置
隣接する部屋が少ないほど騒音リスクが低くなります。
<おすすめ>
◎最上階角部屋
◎1階角部屋
◎中層階の角部屋
最上階または1階の角部屋は、隣接する部屋が上か下と片側の隣しかないので、もっとも騒音リスクが低いといえます。
ただし、1階だと地上の音が入ってくる可能性があることを考慮しておく必要がありますが。
もし2階以上であっても真下が駐車場やオフィスになっているのであれば、下からの音はそれほど心配しなくてもよいでしょう。
また数は少ないですが、ワンフロアに1住戸という物件なら隣がいないので、騒音リスクはそのぶん少なくなります。
内覧時のチェックポイント
実際に部屋を見にいったときに、確認すべきポイントがいくつかあります。
- 部屋の真ん中で手をたたいてみる
- 部屋の壁をたたいてみる
- 騒音の注意文がないか
- 共用部が整理整頓されているか
- 共用階段の足音が響かないか
- 周りの環境
部屋の真ん中で手をたたいてみる
部屋の真ん中で手を叩いた音が反響するかどうかで、防音性を確認できます。
音が反響するなら、壁が音をはね返していることになるので、上、下、隣との間にある壁で遮音されていると判断してよいでしょう。
部屋の壁をたたいてみる
部屋の壁を手でたたいたときの音も判断材料になります。
・重く詰まっているような音・・・防音性は高い。中が詰まっているコンクリート壁。
・コンコンという軽く高い音・・・防音性は低い。中が石こうボードになっている壁。
壁は1か所ではなく、全ての戸境壁(こざかいかべ)をたたいて確認しましょう。
手でノックするように軽くたたけばOKです。

【戸境壁(こざかいかべ)】
隣の住戸との間にある壁のこと。
たとえば、201号と202号の間にある壁が戸境壁です。
騒音の注意文がないか
掲示板、エレベーター、共用廊下などに騒音注意の掲示がないか、確認しておきましょう。
もし「生活音に配慮しましょう」「夜間の楽器演奏はしてはいけません」など、騒音に注意するよう呼びかける掲示があるなら要注意です。
騒音トラブルがある建物の可能性が高いので、さけたほうが無難です。
共用部が整理整頓されているか
共用部分が乱雑だと、住んでいる人のモラルが低い可能性が高いです。
騒音は入居者がだすものなので、マナーを守らない居住者がいる場合は騒音リスクも高まります。
- 共用廊下に私物が置かれていないか
- 自転車置き場が整頓されているか
- 集合ポストが乱雑になっていないか
共用階段の足音が響かないか
防音性の高い鉄筋コンクリート造(RC)だったとしても、共用階段だけは鉄骨という場合があります。
その場合、階段を上り下りする足音が響いてくるかもしれません。
高層階の部屋なら共用階段を使う人は少ないので、それほど気にしなくていいですが、もし、<検討中の部屋が2階や3階の場合>は、共用階段の足音が響かないか確認しておくことをおすすめします。
周りの環境
インターネット上での地図情報では、騒がしい立地ではなさそうだったのに、実際に現地に行ってみると思いもよらない環境だったということも考えられます。
窓を開けてみて周りの音を確認しておきましょう。
できれば時間帯や曜日(平日・週末)を変えて、何度か内見にいくことをおすすめします。
また、同行の不動産担当者に聞いてみてもよいでしょう。
内見で分からなかった点を不動産屋に確認する
不明点や確認しておきたいことがあるなら、
騒音リスクを低くするためにも、念には念をいれて不動産屋に聞いておくことをおすすめします。
<構造について>
「床スラブの厚み」(RCの場合)
「戸境境の厚さ」
遮音を期待するなら、床スラブは厚み20cm以上、戸境壁は厚さ15cm以上は必要です。

【床スラブ】
下の部屋との間にある床板のこと。
一般的に鉄筋コンクリート造(RC)のコンクリートでできた床板をさします。
<空室になった理由>
「前の入居者は何年くらい住んでいたか」
「退去した理由は」
「問題行動をするような人が住んでいないか」
「騒音トラブルがないか」
など
前居住者が短期間で退去したなら、理由によっては住環境に問題があることが考えられます。
心配であれば遠慮せずに聞いておきましょう。
まとめ
実際の音については住んでみないと分からないですが、とはいえ、部屋選びの段階でリスクを大幅に減らすことはできます。
チェックポイントをおさえて、防音性の高い部屋を選びましょう。
・ネット情報で条件検索
・内見でチェックする
・不動産屋から情報収集