他の部屋からの騒音問題を解決したいとき、頼みの綱は管理会社です。
トラブルになったらと思うと、本人に直接言いに行くことはハードルが高いですよね。
そもそも集合住宅なので、音源がどこの部屋なのか特定できないこともあります。
そういった場合、まずは管理会社に連絡することになりますが、管理会社でどのような対応をしてもらえるのか、知っておきたいところです。
この記事では、管理会社ができることと、管理会社に連絡するときのポイントをまとめました。
ぜひご参考にしてください。
管理会社の対応
多少の差はあるにしても、管理会社でできることはある程度決まっています。
- 注意文の掲示
- 注意文の投函
掲示は掲示板やエレベーター内に貼る場合が多いです。
ただ、掲示板は見ない人も多く、エレベーターは全員が使うとは限らないので、掲示だけでは効果はあまり期待できません。
多くの場合、掲示だけではなく投函もしてもらえますが、ピンポイントで騒音住戸だけに投函するか、または、全戸投函するかは建物の戸数や騒音元を特定できているかどうかにもよります。
- 個別に注意
全ての管理会社ではありませんが、音を出している住戸が特定できる場合には、本人に対して個別に直接注意をしたり、床にマットを敷くなどの防音対策をするようアドバイスをする会社もあります。
注意の方法としては、①本人に電話、②「○号室の方へ」とピンポイントで文書投函、または③直接訪問というやり方が一般的です。
管理員がいる物件だと管理員経由で個別に注意するケースもあります。

まずは注意文で様子見する ⇨ 改善が見られないなら直接注意を行う、という段階をふむことが多いです。
ただし、管理会社の対応としてはせいぜい個別注意までが限界です。
よほど明確に賃貸借契約書に賃貸契約解除規定が書かれているのでない限り、管理会社から騒音源の入居者を強制退去させることはできません。
管理会社への連絡方法
・電話
・メール
・相談フォーム(管理会社のホームページなどにあれば)
電話でもメールでも自分の連絡しやすいほうで構いません。
大手の管理会社だと、ホームページ上に入居者用の相談フォームがもうけられている場合があるので、そういったものを利用してもよいでしょう。
個人的にはメールか電話どちらか一方ではなく、両方で連絡するのがよいと思います。
というのも、電話だとこちらが詳しく伝えたつもりでも相手に全てが伝わっているとはかぎらないからです。
メールと電話の両方で連絡をする場合は、先にメールを送ってから「先ほどメールもお送りしましたが」とことわって、電話で同じ内容を伝えるとよいでしょう。

管理会社からするとよくあることなので、電話とメールの両方で連絡がきても
「しつこい客」などとは思いません。ご安心ください!
伝えるべきポイント
管理会社に効果的に動いてもらうためにも、できるだけ具体的に伝えましょう。
冷静に事実を伝えることが大切です。
<ポイント>
- どんな音?
- いつから?
- 頻度は?
- 時間帯は?
- どの部屋から聞こえる?
- こうむっている被害は?
- どうしてほしいか?
- その他
どんな音?
可能なかぎり具体的に伝えましょう。
具体的に伝えることで管理会社としても注意文の文面に反映させることができるので、相手に気づいてもらいやすくなります。
足音
子供が走り回る音
テレビの音
大声での話し声
DIYのドリル音
ドアをバタンと閉める音
窓をガラッと開ける音
ギターを演奏する音
ペットの鳴き声
など
何の音かわからなければ、自分が感じる響きや特徴を伝えるようにします。
ドンドン飛び跳ねるような音
ズルズル何かを引きずるような音
ゴンゴン叩くような音
グワングワンと繰り返す機械のような音
など
いつから?
音がし始めた時期を伝えます。
騒音の出どころがどの部屋かわからない場合は、音が気になり始めた時期が重要な情報になるかもしれません。
例えば、音がし始めた時期をもとに、管理会社側で音源の部屋を見当をつけることができた場合、より具体的な注意喚起ができるので、結果として音の悩みが解消する可能性が高まります。
頻度や時間帯は?
週末の夜中だけ、平日の20時から深夜1時ころまで毎日、などと伝えられるように、音が出た時間帯や曜日を記録しておくようにしましょう。
どの部屋から聞こえる?
音は空気、天井、壁、床を伝わって聞こえてきます。
そのため、はっきりとどの部屋かと特定することが出来ない場合も多いです。
真上からの騒音だと思っていたら、実は斜め上だったということもありえます。
騒音源が特定できない場合は「上から聞こえる」「下のほうから聞こえる」「左隣から聞こえる」というように、音がどの方向から聞こえるのかだけ伝えておけばよいです。
他の住戸からも苦情が入っていた場合、管理会社で情報を重ね合わせて騒音源を絞ることができるかもしれません。
こうむっている被害は?
騒音のストレスがご自身の生活にどのように悪影響をおよぼしているのか、を伝えます。
- 不眠(眠れない、眠っていても目が覚めてしまう、など)
- 心(ノイローゼ気味、イライラ、怒りっぽくなった、など)
- 体(頭痛、めまい、など)
- 仕事に支障が出ている(在宅ワークに集中できない、オンライン会議で声が聞こえづらい、など)
- 勉強に集中できない
管理会社にどう動いてほしいか?
管理会社は原則、注意文の掲示や投函、またはできたとしてもせいぜい直接注意までです。
それをふまえたうえで、自分の要望を管理会社に伝えることは自由です。
- 注意文の文面
- 注意文の掲示場所
- 注意文の投函
- 直接注意
<注意文の文面>
「足音や生活音に注意しましょう」というような誰にでも当てはまるような文言では、効果的とはいえません。
そこで、相手に自分のこととして気づいてもらえるよう、注意文の文面をより具体的に書いてほしいと要望することをおすすめします。
- 「5月8日の21時~深夜2時ころまで、集団で騒いでいた」
- 「平日の夜20時~23時ころに聞こえる、ピアノをひく音」
- 「週末の夕方16時ころから数時間響いてくる大音量のロック音楽」
- 「早朝6時ころに、窓をガラッと開ける音」
など

「音がする時間帯」+「どんな音か」を伝え、文面に入れて欲しいと伝えましょう
<注意文の掲示場所>
掲示板だけではなく相手の目につきやすい場所にも貼ってほしいとお願いしてみてください。
<注意文の投函>
特にこちらから言わなくても、管理会社側で掲示と投函をしてくれるケースが多いですが、念のため注意文は掲示だけでなく、投函もしてくださいと伝えておくことをおすすめします。
<直接注意>
それでも改善しない場合は、直接相手に注意してほしい、と要望してみましょう。
管理会社によっては「音の感じ方は個人差があるため直接介入はしない」「騒音を出している部屋が特定できない」「音が許容範囲と思われる」などの理由から、個別に注意をしないとしている会社もあります。
が、そのような場合でもめげてはいけません。
希望として伝えておくことをおすすめします。

会社としての方針はあるにせよ、お客様の温度感によって担当者判断で臨機応変に対応することもあります。
<最後に>
「他にも管理会社でやってもらえることがあればお願いします」と付け加えておきます。
その他
- 他から苦情が入っていないか確認したい
- 私からの苦情だと知られないようにしてほしい
- いつ頃対応してもらえるのか進捗がほしい
- どのような対応をしてくれるか(してくれたか)、報告がほしい
- 注意文を掲示投函するまえに文面を教えてほしい
などあれば。
まとめ
- 管理会社で注意を促してもらえる
- 管理会社で対応できる範囲はあるが、要望は遠慮なく伝えてよい
- 伝えるべきポイントを抑えると、より効果的な対応につながる